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 ①
 下の画像、左から、青面金剛~女虚無僧~鷹匠~傘さす女~提灯釣鐘。

 「青面金剛」は、夜叉神。インド由来ではなく中国の道教思想に由来するという。
  四臂三眼、法輪・棒・羂索を持ち、上部に日月、左右に猿、下部に雄鶏・雌鶏がいる。
  日本では、<庚申信仰>の本尊として<三尸>を抑える神となっている。
  *三尸(さんし)とは、道教で人間の体内にうまれながらいる三匹の虫。
   60日ごとの庚申の日に眠ってると体外に出て、天帝に罪状を告げるので、
   庚申の夜は眠らずにみんなで過ごす(庚申講)。

 「女虚無僧」は見てのとおり、女性が虚無僧姿で描かれる。
 「鷹匠」も同じく、イケメンの若衆姿。
 「傘さす女」も、藤娘と同様の美人画。<これだけのものは希>と。

 「提灯釣鐘」は図録の裏表紙となっているので有名なのか。
  <猿の性格を見事に捉えて表現した>と。
 


 ②
 下の画像左から、瓢箪鯰~鬼の行水~雷と太鼓~猫と鼠~槍持鬼奴。

 「瓢箪鯰」は、地震を起こす大鯰を瓢箪で押さえ込もうとする猿。
   *猿は大津絵に鬼と同様、良く画題になる。<猿知恵>を表すか。

 「鬼の行水」:図上に雲が描かれているのか、この作品は絶品という。
   *確かに鮮やかな色づかい。
   身体の汚れは落とせても心の汚れは落とせないという風刺のようだ。

 「雷と太鼓」:雷さまが肝心の太鼓を落としてしまい、拾い上げようとする。
   *「上手の手から水が漏れる」の喩え。<慢心>をいさめることか。

 「猫と鼠」:猫が大きな杯で鼠に酒を飲ます、その下心はもちろん。鼠の行く末は。
   しかし、なんとなく仇同士の二匹が愉快に酒盛りしているようにも見える。
   同じような作品をなんとパブロ・ピカソが所持していたという。さすが大津絵だ。

 「槍持鬼奴」:「槍持奴」の画題は、大名行列の先頭を歩む奴姿で<道中安全>の護符。
   しかしこの作品では、鬼が奴姿に化身。さてどうなるものやら。
   さらに、この作品は、文献や他に作例のない<珍しい作品>という。
 



 さて、「大津絵十種」の画題は
 すでに観た「鬼の念仏」「外法梯子剃」「藤娘」「瓢箪鯰」「雷と太鼓」「鷹匠」
 「槍持奴」(槍持鬼奴だが奴が鬼になった)七種。

 それ以外に「座頭」「矢の根」「釣鐘弁慶」の三種がある。
  「座頭」:犬に褌をひっぱられて困惑する姿で描かれる。
   *勝新太郎の<座頭市>と違い幕府公認、高利貸しで庶民に嫌われたらしい。

  「矢の根」:曾我兄弟の仇討ちから弟の五郎を描く。
   *目的が達成でき、願い事が叶う効用があると。

  「釣鐘弁慶」:三井寺の鐘を弁慶が比叡山の谷底に投げ込んだという武者絵。
   *身体剛健にして大金を持つ効用があると。


 ーー了ーー