エナジー展2
      ・・肉筆浮世絵


  サムネイル1

 左から
 歌川豊広作:「見立蝦蟇鉄拐図
  右は、遊女が女文人の姿でフゥー吐き出した煙草の先に、
  彼女の後ろ姿のシルエットが現れる。
  左は、禿が鋏を片手に紙細工で作った蛙を、遊女に差し出している。
  左手で差し出す蛙は、白くて見えないかも。
  いずれも<見立>で、鉄拐仙人(右)と蝦蟇仙人(左)のパロディー。

 葛飾北斎作: 「桜下遊女と禿図
  桜の下で、首を<くの字>に曲げた遊女と二人の禿。
  首をくの字で描くのは、美人画で他にもあるらしい。
  北斎の肉筆美人画を私は余り観てないので、載せてみた。

 磯田湖龍斎作: 「雪中遊行図
  左、若衆と右、娘。
  相合い傘の道行は、歌舞伎では心中へ向かう男女の定番という。
  竹や傘に積もった雪の表現は水墨画のような効果を出している。

 渡辺南岳作: 「玄宗貴妃一笛双弄図
  玄宗と楊貴妃の姿は、中国の題材としてよく描かれるという。
  二人で笛を仲睦まじく扱う様子がなかなか良い。
  


  サムネイル2

 左から
 古山師重作: 「石山寺図
  石山寺といえば紫式部が「源氏物語」を着想した場所。
  華美な衣装の遊女が、文人風に野外で文を書こうとしてる。
  これも見立図。満月と湖上の瀬田の唐橋。

 古山師継作: 「草子洗小町図
  王朝風の衣装をまとう小野小町。
  大友黒主との歌合で、ひそかに黒主が書いた歌を洗い流している。
  小町が詠んだ本当の歌は(書入れ)
   「まかなくに何を種とてうき草の 波のうね~おひしけるらむ」
  なお、師継は師重の門弟という。

 宮川長春作: 「形見の駒図
  「曽我物語」の見立図。曽我十郎・五郎の死後、形見の黒駒をひく。
  前の留袖の美人は、十郎の愛人・虎御前。
  後ろを振り返る美人は、五郎の愛人・化粧坂の少将。