映画「父と暮らせば」
       井上ひさし作

  出演
  福吉美津江:  宮沢りえ
  父・竹造:    原田芳雄
  木下 正:    浅野忠信

 



 広島で被爆した美津江は自分一人生き残ったことへの負い目を感じている。

 美津江は被爆した時、仏像の前で親友の手紙を落として、
 しゃがんで拾うその時だったので放射線を直接浴びずに助かったのだ。




 後に親友の母親と会った時、その母親に「あの子は死んでしまったのに!」と言われる。

 図書館で働く美津江の前に原爆の資料を集める木下が現れ、二人は互いに好意を抱くようになる。
 図書館で

 しかし、美津江は素直に気持ちを表せない。
 「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」

 そうした美津江に父・竹造が現れる。
 竹造は原爆の放射線を直接浴び、すでに亡くなっているが、
 亡霊となって、「恋の応援団長」として美津江のまえに現れたのだ。
 そして、日々の話し相手として美津江を楽しませ、ときには諭す。

 やがて美津江は思いおこす。
 父と一緒にいて被爆した時、竹造を瓦礫の下から助け出そうとする彼女を、なんとしても逃がそうとした父の想いを。
 「わしの分まで生きてちょんだいよォー」

 <自分の分まで生きて、広島であったことを後世に伝えて欲しい>という父の切なる願いを。
 広島
 被爆
 被爆

 こうして、美津江は生きる希望を取り戻し、
 それを見届けた竹造は再びあの世へと帰って行くのだった。
 美津江1
 美津江2