好色図会十二候
・・・勝川春潮
勝川春潮の弟弟子に若き日の北斎(勝川春朗)がいた。
<十二候>だから毎月で十二図ある。
先ず、第一図。正月の年始の挨拶に娘が来たようだ。
書入れに、娘「アレサ おつかさんが おいでなさるとわるゐから てア おはなしよ」
*太字は江戸かな(読めるかどうか)
月代を剃ってない若者と大振袖の娘だから、14・5歳に満たない年頃(成人前)か。
それにしても、二人は懇ろの仲。若者が握らせている。
次は、第四図、ホトトギスが飛んでいるので四月。
*フォトモーションで少しは読めるかも。
二人は夫婦らしく、座敷から外を眺めながら。
男の書入れの始め「おれハはんにちでも志なゐときしよくがわるくなる・・」
もう九番やり、寝てから7・8番やろう、と。
女「アヽ きがとうくなるようだ もう~おくのうへのほうを それ~ 又いく~・・」
春画は、仲の良い夫婦の営みも採り上げる。
次の第八図は八月十五日。中秋の名月、円窓(月の見立)から萩の葉が見える
浴衣姿の男と馴染の芸者。男は酒を飲み過ぎた。
男の背中の書入れ、男「さけよりてめエがどくだ」
芸者「こんやハつき見のせゐか とんだあぢがエヽ てアいきつきにひとくちのもう」
*<つ>のくずし漢字は<徒>。
男は酒より<やり過ぎ>の方が身体に悪いと。二人の体位は不自然(春画ではままある)か。
他の画像はサムネイル形式で。
残念ながら十二月の画像は見つからない。
下、左から、二月~三月~五月~六月。
下、左から、七月~九月~十月~十一月(十二月無し)。