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  空爆開始


 10月はじめの第1週、
 ラムズフェルド国防長官(国務長官ではなく)を
 サウジなどイスラム諸国、
 そして最後に、ウズベキスタンに派遣。
 この間、米軍<山岳師団>の一部がウズベキスタンに展開する。
 そして、国防長官が帰国の途についたという情報に接して、
 私は、近日中に空爆開始があると読んでいた。

 普段、新聞なども1日遅れぐらいで読み、
 余り国際情勢に気を配らない私も、
 10月第1週のこの頃は、情報に注目していたのだった。


 10月7日未明
 (アフガニスタンの現地時間。日本との時差は?)
 米英軍によるアフガニスタン空爆開始。
 私の不吉な予感は的中した。

 国防長官が帰国、米安全保障会議開催、
 国防長官の歴訪の結果を評価という手続きから、
 もう少し遅いかなと思っていたが。
 そういえば、突然、
 英国首相がとんぼ返りの勢いで米国防長官の後を追うように
 イスラム諸国歴訪、ウズベキスタンにも行ったようだ。
 英国首相の地位は、どうも米国国務長官ぐらい?。
 では、日本の首相は?・・。

 当時、楽観的な新聞報道は、
 来月からはじまるイスラムのラマダーン(断食月)に配慮して、
 (空爆に対してイスラム諸国を刺激するので)
 米国が、
 アフガニスタン攻撃を思いとどまるのではないか、と。

 むしろ私などは、
 アフガンは来月冬に入り中旬には雪に閉ざされるようだ、
 そうなれば米軍の山岳師団といえども作戦は難しい。
 今や戦争は「仁義なき戦い」であって、
 ラマダーンへの配慮(仁義)はなく、
 米軍が自由に動ける時間だけが<配慮される>、
 と判断(推測)していた。


 アフガニスタン空爆開始とともに、
 米政府は、難民救済の「人道援助」と称して
 援助物資の空中投下を行うと言う。
 アフガン難民(国民自体が難民化?)と
 タリバン政権とを引き離す、
 政治臭プンプンの<人道援助>であることは明白。

 しかし、難民に物資が届くというならいいか、
 と私たちは思うのだが、
 現地の難民救済に当たっている人々(まさに人道的な)からは
 「全く効果ない」と報じられている。 
 空中投下物資は、軍人と<商人>に渡るだけで、
 (利に賢い商人の存在について初めて私は知った)
 難民の人々が
 物資を自ら手にすることがどうしてできるか、
 <ほとんどない>と。

 米軍による投下物資は、<北部同盟軍>用?
 (タリバン軍と商人たちも入手するが?)
 別の多少楽観的な報道によれば、
 米国(西洋)風に調理された食物を
 イスラム教徒が食べることはない(受け取らない)、と。
 私なども、空中投下物資については、
 そこに何が入っているかわからない<不気味さ>を感じる。
 (食べて死ぬか爆撃で死ぬかの違いでも)

 空爆後すぐに、アフガンのNGO施設への
 誤爆(4人死亡)が大々的に報じられ、
 空爆への国際世論の批判が高まるのではないか、という。
 私などは、この報道は空爆による
 アフガン国民の多数死傷を象徴しているだけで、
 空爆による一般民衆の死傷者を取り上げない
 マス・メディアの構造的欠陥を露呈する、と思う。


 以前の<湾岸戦争>で私たちがいやになるほど知らされたのは、
 米軍の最先端武器によるピンポイント作戦。
 その武器の精度について、
 いやというほど軍事評論家たちのうんちくを聞かされた思い。
 赤外線で照射されたイラク兵の逃げまどう姿、等々。
 (彼らは死んだに違いない)

 米国の<軍事思想
 わが子供たち(兵士)の死傷・犠牲者数を
 最小限に食い止めるために、
 ハイテク兵器を開発し、敵のとどめを刺す。
 敵の死傷・犠牲者は考慮しない。
 この軍事思想の結果が、
 <ヒロシマ・ナガサキ>の原爆投下でも
 あったのではないか。

 第2次大戦後も、
 ベトナム戦争・湾岸戦争と同一の思想が働き、
 ますますハイテク兵器の開発に血道を上げる
 例えば、ベトナム戦争では
 米兵1に対してベトコン10の犠牲などと言われていた。
 今回は、米軍中枢の国防省(ペンタゴン)がやられたのだから、
 いっそう徹底したタリバン撲滅作戦が立てられているに違いない。


 日本政府
 今、米国ではブッシュjrに批判めいたことを口走ると、
 周囲から睨まれるという。
 また、米国内のイスラム教徒への嫌がらせ・迫害は
 相変わらず続いているという。
 民族の坩堝・アメリカ合衆国の国是は
 <合衆>にあるのではないか。
 (合衆とは合州である、という議論もあるが)
 多民族国家「合衆国」(合州国)の活力の源泉は
 諸民族の受け入れに寛容であったことにあるはずで、
 島国日本の事情と違って<すごい国>であることは確か。

 米国内には、「ミリシア」なる、
 人種差別を公然と標榜する<民兵組織>が各州に多数あるという。
 また、アトランタ五輪の際のテロなども想い出される。


 とりあえず「言論の自由」がある日本では、
 政府批判も自由であろう?。
 という前提に立って言うと、<何となく情けない>のだ。

 <11日の悲惨な事件>以前、
 「日・韓の米軍施設等へのテロ情報」が流されていたという。
 米軍基地や米軍人と家族はテロ情報により警戒態勢にあった。
 ところが、
 わが日本国民にはテロ情報を知らされていなかったし、
 外相・田中真紀子さんも知らなかったらしい。

 事件前、
 日米サンフランシスコ講和条約調印50周年とかの記念行事で
 田中外相はサンフランシスコを訪問、
 空港でいつもより物々しい要人警備を不思議と思っていたという。
 日本へのテロ情報により、当然、外相となれば政府要人?だから、
 米国警備当局も物々しい警備態勢をひいたのだろう。
 それを知らなかったとはジョークになる。

 小泉純一郎内閣発足以来、
 論功行賞で外相ポストに就いた真紀子さんは、
 例の<のり>で、外務官僚と対立。
 さまざまあって、どうやら情報からはずされていたらしい。
 真紀子さん、<いいじゃない>と私は今も思っているのだ。
 (少なくとも、小泉さんよりはいい)
 ブッシュjrとハートツーハートで
 意気投合したらしい小泉さんは、
 事件後、内閣発足の以来の「改革なくして再建なし」という
 スローガンで突っ走って来た。
 それと同じ<のり>で、
 積極的に米国支援で突っ走ることになった。


 国連難民弁務官事務所の要請によるとして、
 難民への物資補給のため
 航空自衛隊のC130輸送機6機(隊員140名)を
 パキスタンに派遣。
 途中空爆が開始されたのだが、彼らは帰還したのだろうか。
 今現在、新聞報道を見ても
 彼らが帰還したというニュースは知らない
 とっくに帰っているのか、
 そうでなければ、行方不明?まさか。

 派遣にあたって、
 きわめて効率悪い物資補給だという悪評もあった。
 最近の話では、パキスタンに彼らが運んだテントは
 パキスタン製とやら?(笑えないジョーク)

 どうやら、私の認識が間違っていなければ、
 アーミテージ
国務副長官の
 「ショー・ザ・フラッグ」という発言に、
 機敏に反応して民間機より
 自衛隊機の「ショウ・ザ・フラッグ」となったらしい。
 同副長官は、「私は学生の答案を採点する大学教師ではない。
 日本は学生ではない」とも発言。
 パウエル国務長官の発言ではなく、
 (湾岸戦争時の米軍トップの米統参部長
 副長官の発言に
 右往左往する日本政府とは何だろう?。
 日本政府は一所懸命米政府に<ごますりする>学生か?、
 と言ったら言い過ぎなのだろうか。

 そういえば、米空母キティホークの横須賀出港の際、
 海上自衛隊の護衛艦が「調査」とかの名目で同行したらしい。
 その後、キティホークは横須賀に入港し、
 再度出港し洋上基地として参戦したようだ。
 これは、うがった見方かもしれないが、
 米軍にとって自衛艦はじゃまだったのか?
 その他、自衛隊のイージス艦派遣とかが議論されているらしいが、
 米軍にとってとりあえず
 「役に立たない日本はじゃま」ということなのだろう。



 第2報 2001・10・14 午前

 今日の新聞紙面、テレビニュースでは、
 炭疽菌感染が報じられている。
 3名の感染者(死亡1)を出したフロリダ州の新聞社で
 新たに5名の感染者がわかったという。
 米国メディアばかりでなく
 国連本部でも「白い粉」の郵便物が送付されていたようだ。
 「白い粉」の恐怖がニューヨークに広がっている。
 これもビンラディン・グループによるテロなのか、
 わかっていないのだが、
 彼らの犯行かと考えると、疑問符がつく。
 空爆による戦争開始という今の状況で、
 ビンラディン・グループならば、
 もっと直接的な行動(できるとして)に訴えるのではないか、
 つまり、後方の米軍施設攻撃など。
 米国内には、米国家体制そのものに不満な、
 その存在が不明なテロ組織が数多くあるという。
 こうした組織も、
 ビンラディンが関係する「国際的なテロのネットワーク」なのだ、
 ということになるのだろうか。
 そもそも国際的な「テロ・ネットワーク」が
 実体的に存在するのだろうか?


 日本ではどうだろうか
 9月11日の事件以前に流されていた
 「日韓にテロ」情報は、「ガセネタ」だったのだろうか?。
 あるいは、ビンラディン・グループが
 海外テロ情報を意図的に流し、
 CIAやFBIの米情報機関を油断させたのだろうか?。

 いずれにしても、
 あの劇的な事件は周到な準備を持って実行された。
 テロ実行犯ばかりでなく
 米国内に後方支援組織があったことは確かで、
 支援者のなかには米国内に何年間も住みつき、
 普通に市民生活を送り職に就いていた者もいる。

 イスラム原理主義の信念を持った人々が
 テロを実行している(しかも自爆テロ)ということは、
 私たちの理解を超える事柄である。
 また、どこで、何が起こるか予測もつかない。
 日本国内でも彼らの存在を否定しきれない。
 日本は沖縄基地をはじめ
 東アジア最大の米軍基地を保有しているのであって、
 ここから毎日のように米軍艦船や軍用機が
 アフガン地域の軍事行動のために出発しているのである。
 さらに、自衛隊機も飛んでいる。
 東アジアの<後方基地化した日本>で、
 ビンラディン・グループが
 動くことは大いにあり得るのではないか。


 イスラム原理主義
 「原理主義(ファンダメンタリズム)」とは、
 もともとキリスト教の原理主義を指しているという。
 (ダーウィンの進化論などを認めない)
 イスラム教のそれは、
 「イスラムへの回帰」運動
 西欧の評論家たちが名付けたのだ。

 「イスラム回帰」運動とは、
 おおむね「西欧的な近代化」に批判的で、
 「ムスリム共同体」の復興を目指す思想運動をあらわすようだ。
 したがって、イスラム国家・社会には、
 それぞれ多数の原理主義グループが存在し、
 (とりあえず、この言葉を使うが)
 穏健派もあれば過激派もあるという。

 おおよそイスラム信仰に篤い人々は、
 原理主義的傾向になるのだろう。
 そのため、
 <テロ組織=過激派=原理主義>という等式は成立しない。
 また、ブッシュjrのように、
 <報復だ!>と自らの立場を
 中世西欧「十字軍」になぞらえてしまえば、
 ほぼ全ムスリムを敵に回すことになり、
 ジハードに根拠を与えてしまうことになる。
 <ビンラディンの主張を正当化>してしまったわけだ。

 現在、イスラム国家・権力者は、
 おおむね国内の過激な原理主義団体(過激派)に手を焼いている。
 彼らの権力基盤を弱体化させるものであるから。
 なぜなら、原理主義のメンバーは
 まず自分たちの指導者の主張に従い、
 権力者の意向に従うとは限らないから。


 パレスチナ問題を抱える中東では、問題は複雑。
 ここでパレスティナ問題(イスラエル問題)
 について述べる余裕はない。

 ビンラディンの主張は、
 米国は今までパレスティナを犠牲にしてきたし、
 湾岸戦争後もイラクの子供たちは死んでいる。
 すべては米国の仕業であり、
 米国への聖戦(ジハード)は
  全ムスリム(イスラム教徒)の義務であるという。

 <イラクの子供たちの死>とは、
 湾岸戦争後のイラクへの制裁による食糧・医薬品不足もあるが、
 例の「劣化ウラン弾」を米軍(多国籍軍)が大量に使用、
 現在も放射能汚染がイラクで広がっていて、
 子供たちがその犠牲になっている、ということらしい。
 (確か、沖縄基地で米軍が劣化ウラン弾を使用して
  演習を行っていたことが、日本でも問題になった)


 英仏両国、特に英国は過去の歴史から
 中東のイスラム世界では全く信用されていない。
 ソ連のアフガニスタン侵攻後、
 ソ連に対抗する
 ムジャヒディンのジハード(抵抗)を米国が支援した
 ことで、イスラム世界では米国への信頼が高まっていたようだ。
 ビンラディンも「アラブ義勇兵」としてアフガンに入り、
 自分の資金を持って軍事基地・武器庫などを作る。
 (それには米国の資金援助もあったという)
 アフガンからのソ連軍の撤退までは、
 パレスティナ問題を抱えていたが、
 こうしてイスラム(アラブも含む)と米国の
 <蜜月の時期>があった。

 90年8月、イラクのクエート侵攻
 米国主導の多国籍軍結成。
 91年1月、湾岸戦争開始となるが、
 ビンラディンが直接の怒りを向けたのは、
 サウジアラビア(特に聖地メッカ)への米軍駐留という。
 イスラム聖地への西洋軍隊(米軍)の進駐は、
 ビンラディンばかりでなく、
 イスラム原理主義者には許されない暴挙と映ったようだ。

 ここには、サウジアラビアの王家(サウド家)=権力と
 原理主義者との意識の乖離がある。
 サウジ王家にとっては
 イラクの脅威からの自国防衛(王家防衛)として、
 <傭兵のごとく>米軍駐留を認めたに違いない。
 原理主義者にとっては、
 西洋の異教徒がわが聖地に土足で踏み込んできた
 ということになる。
 かくして、イスラム国家・権力と
 イスラム原理主義との<対立の構図>がここにも出現した。



 第3報 2001・10・20

 「米下院、22日まで閉鎖」と、
 日本の18日付け新聞(夕刊)が報じている。
 <炭疽菌によるテロ>が本格化したようだ。
 「生物兵器としての高純度の炭疽菌」が、
 米国各所にばらまかれている。
 空中浮遊し汚染を拡大するような炭疽菌は、
 高度な専門的な技術による培養が必要らしい。

 この情報からすると、主として狙われたのは、
 1,米国マスメディア
  周知のように、ユダヤ資本が
  米国マスメディアの3大ネットワークを握っている。
 (だからといって、ユダヤ(イスラエル)的な偏向報道がある
  というわけではないだろうが)
 2,米議会関係。上院・下院議員事務所など。

 これらの狙いからみて、
 <ビンラディン一派によるテロ>としては、
 あり得るか?と思う。
 彼らの犯行だとすれば、
 第1弾(9・11) の「確かな証拠」は、
 まだないと言えるのだが、
 <テロ第2弾>として周到に準備されていたことになる。
 (早い日付では9月20日過ぎには、郵便物が投函されている)

 私は、第1弾をきっかけとして
 米国内の<不満を持つテロ組織>が動いたのではないかと、
 当初推測したのだが、
 現在の報道ぶりを信頼するならば、
 <周到に準備された第2弾>かもしれないと思う。

 そうすれば、
 第3弾の可能性もあることだろう。
 何故ならば、
 予想通りの米軍の圧倒的な火力に対する
 タリバンの劣勢は、
 オマル師もビンラディン
 <織り込み済みのこと>と思えるから。
 第3弾は何か、予測するのは可能か。
 <第2弾の炭疽菌>を
 誰も予測できなかったのだから。


 ただし、わが日本では、
 オウム真理教・麻原某による
 「地下鉄サリン事件」は記憶に新しく、
 「航空機ハイジャック・自爆テロ」が起こったならば、
 次に起こるとすれば、
 「生化学兵器によるテロ」かもしれない、

 オウム真理教というマイナーな組織が
 「サリン」を製造しているのだから、
 (この事件で、初めてサリンという猛毒化学兵器の
  存在を私たちは知ったのだが)
 当然、オサマ・ビン・ラディンの組織が
 <単独で>製造に成功してもおかしくない。

 このことについては、「ハイジャック・自爆テロ」が
 さらに第2弾として起こる可能性よりも、
 別の形、「地下鉄サリン事件」のような
 生化学物資・兵器による事件が起こる可能性が高い、
 という私の推測は、偶然にも的中したわけであった。
 (テロ組織の計画については推測するより他にない)



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