静嘉堂文庫美術館

 散歩がてら、二子玉川駅から歩いて当美術館に行った。
 美術館の道案内パンフを見ながら、春一番の吹くなか歩いたのだが、
 初めての道で、目印も曖昧。
 結局、20分か25分(パンフ)を40分ぐらいかけた。

 美術館の正門からさらに、
 長いスロープの坂があり、やっとたどり着いた。
 スロープを下る途中出会った中年過ぎの女性は、
 スロープの半ばで<へたって>いた。
 彼女も二子玉から歩いてきたという。
 <もうすこしですよ>と私が言うと、
 元気を取り戻して<ありがとう>と、坂を上って行った。

 帰りは、バス。10分足らずで二子玉駅に着いた。


  江戸のエナジー展


 エナジー展の「序章」として
 静嘉堂文庫美術館の誇る?所蔵作品2点が展示されていた。

 英一蝶の「朝暾曳馬図
 朝日が昇る中、少年が馬を退いている。
 川面には、少年と馬の姿がうっすらと描かれている。
 いかにも、のどかな一日のはじまりをあらわしている。
 とてもいいので、私は絵葉書を買った。
  *この画像も、他の画像も不鮮明になっている。
   当然ながら、実物はもっと良い。

 



 円山応挙作「江口君図
 <江口君(えぐちのきみ)>とは、摂津国・江口の遊女の総称という。
 ここでは、遊女・<>が亡霊となって<西行法師>と歌を詠み交わし、
 普賢菩薩に化身する。

 幽霊画の名手応挙らしく、生身の美女としてではなく、
 亡霊となった遊女を菩薩として描いて、優美な姿に昇華した。

 実際に観ると、髪の生えぎわの毛一本一本、目や睫毛も
 綿密に描いていて、<傑作だ!>と分かる。
  *なお、江口君は美人画の画題となり、謡曲にもあるという。