海女と蛸
     ・・・「喜能会之故真通」から

 フォトモーションのズームを利用すると、文字も読めるか。
 現代の<かな文字>と江戸の<かな遣い>には違いがあり、読めそうで読めない。
 江戸の<かな文字>は漢字を略したものなどなど、一応その知識がないといけない。

 画像の下に、参考書から借用した<書入れ>を載せた。「くの字点」については<>で表した。
 フォトモーションと交互に見れば、江戸の<かな遣い>が分かるかも(私も少し分かる)。
 


 上図の「書入れ」を読む。
 右から、途中の< ・・ >内は、擬音語など
 大蛸「いつぞハ~と ねらいすましてゐたかいがあつて けうといふけう とう~とらまへたア 
  ても むつくりとしたいゝぼゝだ いもよりハ なをこうぶつだ 
  サア~すつて~すいつくしてたんのふさせてから いつそりうぐうへつれていつてかこつておこうス」

  口ニテ <ズウツ ズツ~ チユツチユ~ツ ズウツ~ フヽヽヽウ>

 海女「アレにくいたこだのう フヽヽヽ エヽ いつそ アレ~ おくの フヽヽ 
  こつぼのくちをすハれるので いきがはづんで アヽ エヽヽ モ イツソ 
  それなア いぼでエヽ ウ~ いぼでエヽ フウ~ そらわれをいら~と ヲヽ~ アレ~ 
  こりやアどうするのだアア ヨウ ヲヽ~~ ホヲヽ アヽレエ ヲヽ~ いゝ~
  ヲヽいゝ~~ ハアヽアヽ いゝいゝ ハアいゝ フヽヽヽウ~ まただヨウ~~~ 
  いまゝでわたしをバ 人が アヽ フヽヽヽウヽ~~ たこだ~といつたがの ヲヽ フヽウヽ~
  どふしてエ~~」 
 大蛸「このコヽヨヨヨウサアデエハアヽ~~ ズウ~~~~ ひちや~ ぐちや~ じゆつちう 
  ちゆ~~ ぐう~ ズウ~ なんと八ほんのあしのからミあんばいハ どふだ~ 
  あれ~ 中がふくれあがつて アヽ~」

  <ゆのやうなゐんすい ぬら~~ どく~~>

 海女「エヽモウ くすぐつたくなつて ぞつ~と こしにおぼへがなくなつて フヽヽウ~
  きりもさかいもなくのヲヽ~~ いきつゞけだアな
  アヽ アヽ アヽ アレ~ ソレ~ ウヽヽ ムヽヽフンムフウム ウヽ~ いゝヨ~」
 小蛸「おやかたがしまうと またおれがこのいぼで さねがしらからけつのあなまでこすつて~
  きをやらせたうへで またすいだしてやるにヨ チウ~」

 さて、読めたかなぁ。難しい!


 話は変わるが、浮世絵とその春画は、西洋画家の画風に大きな影響を与えている。
 一時期、<ジャポニスム>として流行した。
 ここで紹介するのは。パブロ・ピカソの「女と蛸」。明らかに北斎の作品を観ていた。

 「女と蛸」


 ところで、「喜能会之故真通」は<三巻二十七図>ある。
 折角なので、下にもう一図入れておく。

 これも書入れが長い(ちょっと読めない)。
 殿様と奥女中が毎晩のように励んでいるようだ。





 ついでに、
 ジャポニスムへのリンク