幽霊画展
     ・・・三遊亭圓朝ゆかりの全正庵


 「百物語」

 私の知識不足から「百物語」とは何なのか知らなかった。
 2019年7月、「百物語」と題したナカムラユウコさんの<筑前琵琶>を聴く機会があり、
 <「百物語」とは?>と。

 白石加代子「百物語」を聞き知っていたが、特に気にしてなかった。

 白石加代子 

 最近、谷中・全生庵の「圓朝祭り」を観て、<そうか!>と、やっと気づいた次第。


 「百物語」とは、
 簡単にいえば、<怪談会>で怪奇話、幽霊談を100回話すと、
 ホントに<物の怪、幽霊>が現れるという言い伝えがあることによる。
 ボッカッチョの「デカメロン」に似ている(10回ならず、こっちは100回)。
  *デカメロンでは10人が十話、計100話だから、同じになる。
 浮世絵の哥麿にも「百物語」があった。

 哥麿作

 初代三遊亭園朝は、「百物語」<>に合わせて、
 <幽霊画百幅>を集めようとして途中で死去、
 圓朝ゆかりの全生庵に寄贈されたようだ。

 下、三遊亭圓朝

 


 真夏の夜の夢に
 まさに怪異、幽霊ものは相応しい。

 筑前琵琶のナカムラユウコさんが源氏物語「夕顔」の琵琶弾き語り、
 嫉妬の余り生き霊となって現れた六条御息所の話を演奏してくれた。

 音つむぎへのリンク


 <幽霊画展>から

  鰭崎英朋作「蚊帳の前の幽霊」。
  幽霊画といっても美人画とさえいえる。

 


  鏑木清方作「茶を献ずるお菊さん
  番町皿屋敷のお菊。これも美人画みたいだ。

 


 同じ皿屋敷のお菊さんもあった。

 お菊さん :池田綾岡作「皿屋敷」。顔を隠してるから幽霊画なのか。

  伊藤晴雨作「怪談乳房榎図
  凄い形相でさすが幽霊。乳房榎の題から、子どもを抱えてるからかと。
  しかしの幽霊のようだ(男か女、どっちでもいいか)。
  圓朝の<怪談噺>に「乳房榎」がある。

 


 最後に幽霊画ではなく、
  圓朝の「髑髏図自賛画
  凄い!達筆ですね。

 


 文は「見し夢の睡にかるは世のつねそ
    うつゝのゆめになるそかなしき」。