トップ
パブロ・ピカソ
・・・浮世絵春画の影響か
クリムトやゴッホのジャポニスムとは違う<もう一つのジャポニスム>があった。
幕末以降、欧米に紹介された日本の美術、特に<浮世絵>の影響は、
<ジャポネズリー(日本趣味)>として西洋画家の<画風>に大きな影響を与えた。
ジャポニスムへのリンク
ここでは、浮世絵<春画>について、ピカソを採り上げる。
ピカソは60枚ほどの春画をコレクションしていて、パリ在住の岡本太郎に、
「・・墨の線だけの古い版画があるだろう。色は赤で、手で塗ってあるんだ。
・・エロティックだけど、すばらしいね。・・」と。
これは、<紅絵>のことか。
また、「大津絵」の作品も持っていて、日本美術に関心深かったようだ。
ピカソといえば<キュービズム>。
遠近法を無視した<平面的な技法>は、春画の描き方に似ている。
*平面的な技法は浮世絵全般にいえる。
春画では、男と女の顔を描き、<交合>する姿態を大写しに描く。
実際には<あり得ない>体位で、どんな格好してるのか不思議だ。
*春画が<笑い絵>といわれた由来か。
ピカソの<キュービズム画>も、非現実的描法。
ピカソは、描こうとする対象を<表面に現す>ことで、独特の画風を創りあげた。
キュービズムを生み出したのは<浮世絵春画だ>という説もあるという。
ピカソと春画の作品を観てみよう。似ているかどうか。
上の画像が、ピカソ、「アマゾネスを襲うミノタウロス」
牛頭人身の怪物ミノタウロスが女性を襲う絵を、ピカソは何枚か描いている、という。
下の図は、歌川国虎作「センリキヤウ」の中の一図。
荒神の化身、馬頭人身の怪物。お参りの女をたぶらかす、という。
次は、
上、ピカソ作「強姦」の図。
下、北斎作「喜能会之故真通」の中の一図。
両図とも、体位はどうなってるのか。
次はピカソ作「二人の男女と猫」、ドローイング画。
春画でも、猫や他の動物が出てくる。
浮世絵は、歌川国芳作「逢悦弥誠」(おうえやま)の中の一図。
国芳は無類の猫好きだった。
国芳作
次いで、ピカソ作「女と蛸」
もちろん、北斎の有名な春画、「海女と蛸」のピカソ・バージョン。
海女と蛸
ピカソ以外にも、浮世絵や、その春画に関心を持つ画家や<コレクター>が多くいる。
他の浮世絵春画はサムネイル形式で。
トップへ戻る