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   北斎春画

  富久寿楚宇
   ・・・「ふくじゆそう」となる。

 大判錦絵の十二枚組物。<淫水亭女好>の序文がある。

 北斎の春画は哥麿のそれと違って、
 全裸の男女を大胆に描き、擬音語や擬態語
 さらに<よがり声>を用いる
 <粘着性>の高い性愛表現が特徴という。

 下の画像は第八図
 亭主持ちの女とその間男の情交場面。
 亭主の留守を良いことに。

 詞書により北斎の春画の世界を観てみよう。
 女「こんやハうちでるすだから もふ~うれしくつて~ならぬ
   こんなおちついたばんハねエから
    ぬかづにたんのうさせておくれ
   それ~そこをきつく もつとだきしめて
    フン~ハア~ いゝといつてハ
   もふ~~~ そふさ~スウ~」
 間男「こんやハやどろくハるすなり
    おめへもおれもたんのうせにやアならねエ
    フンフン そふよがられちやア おれもたまらぬ。
    いつしよにいかアナ ハア~スウ~」

  


 次は、第十図。海女と漁夫の情交場面
 二人は恋人たちのようだが。
 どうやら海女は浮気していて漁夫に問い詰められる。
 しかし海女は言い逃れる代わりに<やらせて>相手を黙らせる。

 漁夫「きのふむこふのすなつぱで
     まら助にさせたのを見たといつたものがあるぜ」
 海女「アレサ おめへもつまらねヘことをいいなさるもんだぜ
    これほどほれて
    おめへよりほかにハおとこハもつまいと
    ふなだまさまへぐわんをかけているものを
    かわいそふに」
 漁夫「それでもみたものがあらア
    そしてあわびツけへだきついて
    フン~スウ~いつて
    とろ~しるのようにだしたといふことだア」
 海女「マアひつゝこい そんなことをいわずと
    さあ~はやくしなゝ」
 漁夫「そんならまア あらためてやろう」 グス~
 海女「あれさ 入れなよ」 ヌルリー 「ハア~フン~~」
  *<ふなだまさま>は船玉様で、舟の守護霊(船霊様)


 



 なお、下に第十図の部分画像を掲載した。
 始めの方の詞書をフォトモーションズームで拡大、読めるかなと。

  漁夫「きのふむこふのすなつぱで
     まら助にさせたのを見たといつたものがあるぜ」
  海女「アレサ おめへもつまらねヘことをいいなさるもんだぜ
     これほどほれて、おめへよりほかにハおとこハ
     ・・・・・・」

 ただ、江戸時代の文字と現代の文字では違いがあるので、上記とは違いがあるかも。
  *参考書を見つけた。「春画で学ぶ 江戸かな入門
 



 次に「ついの雛形」を観てみよう。
 近年、この作品は、北斎の娘・葛飾応為(お栄)の絵と
 渓斎英泉の詞書の合作といわれる。

 ついの雛形へのリンク

 また、北斎春画の最後の作、「万福和合神」もある。

 万福和合神へのリンク


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