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葛飾北斎
・・・画狂老人卍
上、自画像。<画狂老人卍>と称した。改名30回ともいう。
最近、葛飾北斎の<版下絵>103点が発見されたと、朝日デジタルで知った。
版下絵は彫師が版木に彫る前の原画で、北斎の肉筆画にあたる。
浮世絵の肉筆画というと絵師が手描きした色鮮やかな完成品を思い浮かべるが、
これは版画用の下絵。
しかし、北斎らしいデッサンと細部を描いて緻密さは変わらない。
例① 「普明長者 妖狐」と題された作品は、<九尾狐>伝承にもとづく。
版下絵①
*九尾狐のページに北斎の「三国妖狐伝 第一斑足王ごてんのだん」を掲載した。
<九尾狐>は美女に化身して男をたぶらかす<九尾のキツネ>のこと。
九尾狐へのリンク
例② 「芙蓉 猫 花奴 同」は、二匹の猫の躍動感がいい。北斎は虎図をよく描いている。
版下絵②
雪中虎図
さて、北斎の「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」は余りにも有名で、
北斎も西欧の<ジャポニスム>を生み出した一人であり、
最近のオークションでは「神奈川沖浪裏」が111万ドルだったという(円では?)。
北斎は70歳を超えてもなお自分の画業に満足しなかった。
90歳で奥義を極め、100歳になって神妙の域に達すると。
北斎は数え年90歳で亡くなるが、今でいう<生涯現役>を貫き3万点を超える作品を描いた。
作品「富士越龍図」は、死の3ヶ月前に描いたという。この作品が絶筆なのか?
天に昇る龍は死を悟った北斎自身か。
富士越龍図
北斎も、浮世絵の多岐にわたる分野で、華麗かつ凄味ある作品を数多く描いた。
とりあえず、私の好きな作品の幾つかを挙げてみよう。
まず、美人画の二作品。
下の「迦陵頻伽」は、美しい天女のようだが、極楽浄土に住む鳥だそうで、
上半身は人で下半身は鳥。美しい声で仏法を説くという。
「手踊図」は、美しい芸者か、手踊りする一瞬の姿を見事に捉えている。
手踊図
ところで、北斎と娘の応為の合作があって、それが「唐獅子図」。
中央の唐獅子が北斎で周囲の花々が応為の絵になる。
応為の実名は<お栄>で、娘が父を呼ぶ時に<お~い>と呼んだから付けられた。
父娘ともに<鬼才>ともいえるすばらしい絵師となった。
ここで、葛飾応為の有名な作品「吉原格子先之図」も挙げておこう。
「吉原格子先之図」
目立たない作品だけど、私の好きな作品の一つに「富士と笛吹童図」がある。
富士山に向かって木の幹に座り、笛吹く童子を描いている。
何故か、寂寥感のある絵で、北斎にしてはめずらしい作品ではないかと。
笛吹童子
また、「向日葵図」も目立たないが、私はフッとエゴン・シーレの「ひまわり」を想い出した。
どちらも1本のヒマワリを描くが、北斎とエゴンは全く違うようで、桁違いの発想が似ているかも。
北斎のヒマワリ
エゴンのヒマワリ
北斎の大作として「八方睨み鳳凰図」がある。
長野の岩松院の天井に描かれた天井画で、そのサイズはなんと畳21枚分。
この大作を86歳から1年かけて仕上げたという。
鳳凰の眼力が凄い。とにかく力強いすごい作品を最晩年に描いた。
天井画は今も当時の色彩と光沢を保っているという(一度観に行かなくては)。
下図は、その下絵。
同様に鳳凰が描かれた「鳳凰図屏風」がある。
「鳳凰図屏風」 :部分
さて、北斎も<浮世絵師>として、当然春画も描いた。
人気があればあるほど、絵師は版元の注文に応じたようだ。
北斎の有名な春画「海女と蛸」は、艶本「喜能会之故真通」のうちの一図。
海女と蛸
また、詞書のページにも北斎の春画も載せた。
詞書の北斎へのリンク
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