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    「聖母子と二人の天使
      素材: 板にテンペラ
      ・・・フラ・フィリッポ・リッピによる
          フィレンツェ・ウフィツィ美術館。1465年頃。

    ページ内リンク
     リッピとは

 かつてウフィッツィ美術館で観た
 「聖母子と二人の天使」が私にとって心に残る作品となっている。
 もちろん、偉大な画家たちの名作を数多く観た訳ではないし、
 リッピについて修道士であったことぐらいしか知らない。
 けれども、この作品の聖母マリア(マドンナ)の
 美しく清楚な顔立ちに魅了される。
 *実は。パソコンのロック画面を、
  この聖母マリア画像にしている。





 合掌して祈る姿が、また素晴らしい。

 合掌の姿


 そして、特に私にとって印象深いのは、<彼女のまなざし>。

 


 祈りを捧げる彼女の視線は
 幼子イエスと二人の天使に向けられていない。
 彼女は何を見つめているのだろう。
 神の姿か?あるいは、
 彼女の信仰心(魂)を現しているのか?
 半眼に開かれた彼女の目は、
 仏像(如来像)の三昧(悟り)
 同様な境地を表しているのだろうか。

 <この作品の評価
 @数ある聖母子像の中で、、、
  最も美しく、清楚で、清らか。
  ウヒッツイ美術館で最も印象に残った作品。
 A見てると心が洗われるよう。
 B彼女の視線が、
  我が子・イエス・キリストに向けられていないことで、
  逆に彼女の聖性が高められている。
 Cダ・ヴィンチにとっての「モナリザ」と同様、
  リッピにとって彼の理想的な女性像を描いた。


 リッピとは<ここをクリック、元に戻る>

 「聖母子と二人の天使」をリッピが描いた意図は
 どうであったのか、私には謎である。
 リッピが同様の「聖母子」を描いた作品がある。
 こちらの作品はマリアが穏やかな笑みを浮かべて
 イエスを抱いている。
 いかにも子を慈しむ母の姿で微笑ましい。

 聖母子


 リッピについての<裏話>もある。???
 リッピは修道士であったが女たらしとしても有名。
 コジモ・ド・メディチの保護を受けて、
 教会から破門を免れたという。
 マドンナのモデルは、
 リッポが愛して当時重大なスキャンダルとなった
 修道女ルクレツィア・ブーティといわれる。
 リッピは、修道院をぬけだして彼女と同棲し、
 その間に二子をもうけた。
 その一人が、フィリッピーナ・リッピで、
 父子とも有名な画家となった。

 リッピのこの描き方は、後に影響を与えた。
 @リッピの弟子のボッティチェッリに、
 Aまた、この人物像の背景にある額縁の中に描かれた風景は、
  後年にダ・ヴィンチが好んだ広大な風景の先駆けともいわれる。


 ウフィッツィ美術館には、
 ボッティチェッリ作「ヴィーナス誕生」や、
 リッピ以外の「聖母子」が収蔵されている。

 ウフィッツィの画像


 また、東方・正教会の美術では、
 イコンやモザイクとして聖母子画が多数描かれている。
 聖母は「生神女」と呼ばれる。

 イコン・モザイク画へのリンク



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