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 資料編に戻る :壱岐・対馬の旅1

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   「王の女」
     ・・・<光海君とキム尚宮>②

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      ①「王の女」となる ②仁穆王妃の出現
      ③宣祖の死後 ④九尾狐ケトン ⑤他の出演者・その他




 上、ドラマのヒーローとヒロイン。
  光海君(チソン)とケトン(パク・ソニョン


 ドラマ「王の顔」の観相学に興味を持った私は、
 次いで、この光海君を扱ったドラマ、「王の女」見た。
 その後、
 「華政」(以前見ていたのに光海君に注目しなかった!)、
 「宮廷女官キム尚宮」(チャングムのイ・ヨンエ主演)、
 映画「王になった男」(ドラマもあった)など、
 <光海君(クァンヘグン)>を中心に扱った物語が多数あることを知った。


 朝鮮史上、光海君は燕山君と並ぶ暴君であったり、
 太閤秀吉の朝鮮出兵を退けた英雄であったりなどなど、
 今日でも評価の分かれる人物らしい。
 それで、
 いろいろドラマや映画で扱う格好の人物になるようだ。
 もちろん、ドラマだからフィクションも多いはずで、
 監督や脚本家、演出家の腕の見せ所なのか。


 「王の女」を視聴して、光海君をひたすら愛し、
 宣祖に身を任せることも厭わず、
 健気に献身するキム尚宮の生き方に注目した。


 ①「王の女」となる


 キム尚宮は、賤民の出で<ケトン(犬のフン)>と呼ばれながら、
 女官になり、
 宣祖に見初められて<王の女>になる。



 上、ケトン(キム尚宮)、パク・ソニョン
   ひたすら光海君に尽くす献身的な愛。

 罰せられるケトン :賤民の出」、女官になってもいじめられる。
  気を失いかけてくずおれるケトンを光海君が抱き起こす。出会い。

 王の女へ :宣祖のもとへかしずく。
  宣祖の寵愛を受けるも、
  光海君と公に結ばれることはなくなる。あきらめ顔。


 「王の顔」では、クァンヘ君とカヒは、
 (「王の女」では宣祖が<美しい娘(カヒ)>と名付けた)
 幼い頃知り合い将来を約束する仲で、
 宣祖の<女人>となった後も、
 内心に秘めた愛をクァンヘ君に捧げている。

 他方、「王の女」では、ケトンはもっと気丈でしたたか、
 クァンヘ君を助ける策士かの如き働きもする。

 ドラマも<もっとドロドロした>内容で、
 特に臨海君(光海君の兄)の<猛者振り>が目立つ。
 
 臨海君 :キム・ユソク、臨海君役。
  激しい気性で王には向かないとされ、世子になれなかった。
  キム・ユソク、彼は「トンイ」ではチャン・ヒビンの兄役。
  「トンイ」では、ずる賢い悪役だが、
  このドラマではなりふり構わぬ猛者振りで、憎めない役柄

 というわけで、同じ人物をドラマ化する手法の違いもまた、
 ドラマの見所として楽しみの一つになる。


 ②仁穆王妃の出現

 さて、ケトン(キム尚宮)は、
 宣祖の寵愛を受け、王妃になる野心を抱くが、
 新しい王妃が迎えられたため、
 自らの野心を諦める(賤民の出では無理だった)

 ヤンファダン :イ・ヘスク、ヤンファダン役。
  長年宣祖に寵愛された側室だったが、
  ケトンに取って代われてしまう。
  息子を王にすることもできなかった。
  しかし、孫にあたる仁祖
  光海君の次の王(16代)となる。


 新しい仁穆(インモク)王妃が男子(永昌大君)出産により、
 光海君の世子の座が危うくなる。
 宣祖は永昌大君を後継者にする意向を持ち、光海君を疎んじる

 仁穆王妃 :ホン・スヒョン、仁穆王妃役。
  若くして宣祖に嫁ぎ永昌大君の母。
  幼い永昌大君を光海君の代わりに世子にと望む。
  光海君や臨海君を敵に回し、
  母子の命の危険もあるが、気丈に振る舞う。
  ホン・スヒョンは、ドラマ「テジョヨン」では
  妻となるスギョン役、こちらも気丈な役。


 <次の数日間がドラマのクライマックスか>

 世子を廃される危機の前夜、
 ケトンとクァンヘは初めて結ばれる。

  床入り ;ケトンとクァンヘは今生の契りを交わす。
       彼の妻も二人の関係を許した。

 ケトンは中風で病床にある宣祖に
 彼の好物の<薬飯>を食べさせる。
 宣祖は死に、仁穆王妃の抵抗もあるが、
 結局、光海君が王となる
  *薬飯は、日本の赤飯に当たるようで、正月に出る。
   食材の<もち米>は中風には猛毒になるらしい?

 一転して宣祖の死の翌日、光海君は玉座に就く。

 ケトンとクァンヘ :玉座に向かうクアンへに身なりを整える。
  ケトンは<クァンヘを王にする>という念願成就。
  幸せの絶頂。


 ③宣祖の死後

 ドラマはいよいよ光海君が
 史上で暴君とされる局面を迎える。
 <薬飯>を食べて急死した宣祖は、
 実は毒を盛られたのだと。

 仁穆大妃(王妃でなくなった)側から
 毒殺の噂が流される。
 まだ、王座を危うくする存在として、
 兄の臨海君と永昌大君の二人がいる。
 二人は謀叛を企てた疑いありとして断罪される。

 臨海君は流刑後首吊り自殺。
 永昌大君は幽閉されて病死。
 事実は、臨海君は首を絞められ、
 永昌大君は部屋に閉じ込められ火を放たれた。
 ドラマでは、光海君自身はこの事実は知らず、
 光海君派の重臣たちやケトンが仕組んだことになっている。
  *)光海君の<廃位論者>の記録だけなので、
   史実に依拠しないということらしい。


 <ここまでのドラマで印象深いこと>
 一つは、明の使者が臨海君と会うシーンで、
 最後に臨海君が使者を殴打してしまう。
 明が弟・光海君を承認しない(世子、王になってる今も)ことから、
 彼は弟を認めさせるために乱心を装い、
 最後に自分を捨てるシーン
 臨海君の<兄弟愛>を描いた。

 二つ目は、臨海君の謀叛を証言させようと、
 ケトンが拷問された妓生と牢屋で会うシーン。
 臨海君を愛する妓生は<愛する男のために>と、
 証言拒否して舌をかみ切って死ぬ。
 ケトンは、<命を懸けるのは、私一人じゃなかった>と呟き、
 女の極楽往生を祈る。

 なお、今や、
 ケトンは愛人を王座に座らせた妖女、
 <クミホ(九尾のキツネ)>と宮中内外で噂されている。
  *<九尾狐>は古く中国で聖獣、
   後に妖怪になったようだ。
   美しい女人に化身して悪さをする。
   日本にも伝承する(玉藻前伝説)。


 <最終局面>

 仁祖反正
 父(宣祖)・兄(臨海君)・弟(永昌大君)殺しと
 仁穆大妃(廃位)幽閉によって、
 光海君は<破倫の王>として謀反側に断罪されている。
 遂に、謀反側は仁穆大妃と
 王族の綾陽君(亡きヤンファダンの孫、仁祖となる)を担ぎ上げ、
 クーデターに成功する。

 光海君は大妃の面前で跪かされ、
 自分の罪状とされた36項目を読み上げさせられる屈辱を受け、
 廃位流刑となる。18年の流刑後、彼は王名の無いまま死ぬ。

 怒りの仁穆大妃 :途中、血を吐き倒れた
          光海君をさらに起こせと命じる。
 罪状読ませられるクアンへ


 ④九尾狐ケトン

 <九尾の狐>ケトン
 彼女は父(宣祖)と息子(光海君)を愛人とした妖女
 として追及される。
 しかし、ケトンは<王の女>として、
 逃亡せずにクーデター側の警備兵の前に現れる。
 ケトンは西方の光海君の流刑地を仰ぎ、静かに斬首される。





 <このドラマの終盤を見終わった感想のいくつか>

 一つは、キム尚宮として光海君を守り切ろうとするケトンは、
 光海君側の重臣たちを動かす策士となっている。
 しかし、仁穆大妃暗殺に失敗した時、
 若い女官時代に姉妹のように仲良しだった女官チョンボクが、
 大妃の身代わりとなって殺されたと知り、涙ながらに嘆き悲しむ。
 チョンボクはケトンがいじめを受けたときに、
 彼女を慰めてくれる存在だった。
 ケトンとチョンボクの<友愛>を表す。

 嘆き悲しむケトン


 ⑤他の出演者・その他

 二つ目は、三人の女優さん。
 ケトン役のパク・ソニョンは、
  冷静な策士振りなど顔や目つきの表情を細かく使い分けて、
  ヒロイン役をうまくこなす。
 仁穆王妃役のホン・スヒョンは、
  怒りや憎しみ、嘆きなど喜怒哀楽の表情を激しく表し、
  <もう一人の悲劇のヒロイン>と思わせる。
 光海君の妻役のサガン
 光海君の心がケトンに向いてるのを知ってるが、
 夫のために我慢している。
 役柄としてはケトンよりかわいそう!

 光海君の妻 :サガン。光海君とともに流刑。


 三つ目は、突然、クーデターに参加する山賊の仲間は、
 ドラマの最初に出てくる<ワイヤーアクション>の使い手、
 山賊の頭領イ・ハンミンの活躍を想い出させた。

 イ・ハンミン

 また、<人相見の才女>のかわいい少女ソンイを。

 少女ソンイ ;パク・ウンビン、ソンイ子役。
  山賊の頭領イ・ハンミンを助けた縁で後々も共に動く。

 人相見からドラマ「王の顔」の観相学も
 連想させてくれた。
 ほか、ドラマ「華政」の貞明公主ファイ
 永昌大君の姉として登場するが、その意図は?・・・など。


 他に
 光海君仁祖(綾陽君)の政治では、
 明と清(後金)との外交で中立政策をとった
 光海君に軍配をあげるようだ。
 仁祖は親明政策で清に降伏、
 <三跪九叩頭の礼>という屈辱を受けた。
 清に臣従したことになる。


 <余談>
 ①パク・ソニョン出演のドラマを見ようとして、
 「チャン・ヒビン」を見始めた。
  キム・ヘス演じるチャン・ヒビンの色気と比べると、
  王妃役のパク・ソニョンいかにも可憐な感じがする。
 ②チャン・ヒビンに関連するドラマは、
  「トンイ」、「チャン・オクチョン」もあった。
 ③そういえば、ケトン・キム尚宮ケシに関連するドラマに
  「宮廷女官・キム尚宮」があった。
  しかも、イ・ヨンエ主演という。是非見なければ!



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